感情の化石
Fossil of Emotion
かつて確かに存在したはずの感情は、
今やかたちを失い、輪郭だけを残して沈殿している。
笑い、怒り、哀しみ──
その瞬間には烈しく、鮮やかで、言葉よりも早く走る衝動だったものたちが、
やがて静まり、
やがて忘れられ、
やがて「化石」となる。
本作に描かれているのは、骨ではなく「感情の痕跡」
人間の顔をかたどる頭骨に重ねられた、
怒りのような、祈りのような、
誰かの、あるいはかつての“私”の記憶の堆積。
「Fossil of Emotion」は、時間に風化され、内面に沈んでいった感情のかたちを、
スケッチという最も素朴で脆い表現手段で、
逆に掘り起こす試み
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